はくさい(アブラナ科)
kitchen garden
品目特性
- 冬季気温が4~5℃以上であれば、冬の最中でも結球する。逆に、高温下の栽培では各種病害や生理障害・微量要素の欠乏症が発生しやすい。
- 好適pHは6前後の弱酸性で、比較的乾燥には強いが、過湿には弱い。排水性がよく、保水力のある耕土の深い土壌が適する。
作型
※作型に応じて求められる品種特性が異なるので、栽培時期に応じた品種を栽培すること。
施肥(1aあたり)
肥料名 | 元肥 | 追肥 | 備考 | |
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1回目 | 2回目 | |||
完熟堆肥 | 200 | <追肥> 1回目:定植10~15日後 2回目:定植20~30日後 |
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セルカ2号 | 10 | |||
野菜美人 | 10 | |||
ダブルクイックNN660 | 2 | 2 |
※結球開始までの株づくりが重要なので、途中の生育が緩慢だったり、大雨等により肥料の流亡が考えらたりする場合は、3回目の追肥も検討する。
※過度な窒素過多は、ゴマ症や心腐れといった生理障害を招く恐れがあるので注意をする。
※結球開始期までに肥料が不十分だったり、過乾燥で肥料が効いていなかったりすると、結球に必要な葉枚数や大きさが確保できず、球が小さくゆるい結球となる。結球が始まる時期までに、追肥をして外葉を作りこむ。
栽培管理
ほ場選び
- 根こぶ病を避けるため、出来るだけアブラナ科の連作は避けること。
- 根が浅く湿害を受けやすいので、排水の良い圃場を選ぶ。
- 盛夏期の定植では、しばらくかん水が必要なため、水の便の良いところを選ぶ。
育苗
- 初夏どりの場合は、約2か月~1か月半、秋冬どりの場合は25日前後の育苗期間が必要
- 128穴のセルトレイに1穴1粒ずつ播種するのが一般的
定植
- 株間30~35cm程度、1条もしくは2条の千鳥とする。
- 晴天日の日中は避け、午後の涼しい時間帯、または曇天日に行う。
- 倒伏防止、乾燥防止のため双葉が埋まる程度の深植えとする。
- 定植後、降雨が期待出来ない場合はかん水を行なう。
土寄せ
- 根の生長を促進させるために、定植10~15日後に1回目、定植20~30日後に2回目の土寄せと追肥を行う。
病害虫防除
根こぶ病
- 根こぶ病は土壌由来の病気で、一度発生してしまうと根絶は難しくなるので、発生する前から以下の対策を施すこと。
- 菌密度を増加させないために、アブラナ科の野菜を連作しない。
- 土壌が酸性に傾くと発生が増えるので、石灰を投入し十分に中和を行う。
- 排水の悪い場所で発生しやすいので、高ウネにしたり、畑周囲の排水に努めたりする。
- 高温期ほど発生が多いので、種まきや定植時期を遅らせる
- 畑を準備するタイミングで、薬剤を散布して発生を抑える
チョウ目害虫(鱗翅目害虫)
- アオムシ(モンシロチョウ幼虫)、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、コナガなどのチョウ目害虫が葉を食害するので、定植時の粒剤散布もしくは苗の潅注処理をキチンと行っておく。
- 特に結球開始後の発生は、球の中に害虫が侵入し、事故品の発生につながるので注意すること。
収穫
- ハクサイの頭部を手で押して、固くなっていれば株元から切り取って収穫する。