かんしょ(さつまいも)(ヒルガオ科)
kitchen garden
品目特性
- 根の発根温度は15℃以上。茎葉の生育は30~35℃で旺盛になる。いも肥大適温は22~26℃
- 十分な日照が必要。生育前期の日照不足はツルボケをもたらす
- 排水性のよい壌土から砂土に適する。適正酸度は6.0前後。残存窒素量が多い条件ではツルボケしやすい。
作型
※無理な早植えは生育停滞を起こしたり、苗が枯れてしまったりすることがあるので、4月下旬以降とする
施肥(1aあたり)
肥料名 | 元肥 | 追肥 | 備考 |
---|---|---|---|
セルカ2号 | (4) | 追肥は畑地では行わないが、砂質土壌では7~8月頃、葉色を見ながら判断する | |
いなば有機 | 3 | (4) |
※かんしょは吸肥力が強いため、窒素過多により、ツルばかりが繁り、肝心なイモの肥大不良につながりやすい。そのため、特に前作の残肥を考慮しながら元肥の量を加減し、場合によっては無施用でも栽培可能。
栽培管理
ほ場選び
- 水はけが良く、過度の窒素が残っていない畑を選ぶ。
定植
- 高さ20cm、畝幅80~100cmのかまぼこ型のウネを立て、株間30cm前後で植える。
- 強い直射日光の時は避けて、曇天日もしくは午後遅くに定植を行う。
- 直立・斜め・船底・水平植えのいずれかの方法で植え付ける。
垂直挿し | 船底植え | 水平挿し | |
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植え方 | |||
利点 | 植え傷みが少なく活着が早い ⇒乾燥する圃場に適する |
植え傷みが比較的少ない イモ個数が多い |
イモ数を確保しやすい イモの揃いが良い |
欠点 | イモ個数が少ない 大きさが揃いにくい |
大きさがやや揃いにくい | 乾燥時に植え傷みしやすい マルチ栽培には向かない |
- スムーズな活着のためには、充実した苗を植え、乾燥時にはかん水する。
- 地温確保や雑草対策にマルチ栽培をしてもよいが、定植直後は苗の焼けが生じやすいので注意をする。
病害虫防除
コガネムシ
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- 根こぶ病は土壌由来の病気で、一度発生してしまうと根絶は難しくなるので、発生する前から以下の対策を施すこと。
- 菌密度を増加させないために、アブラナ科の野菜を連作しない。
- 土壌が酸性に傾くと発生が増えるので、石灰を投入し十分に中和を行う。
- 排水の悪い場所で発生しゃすいので、高ウネにしたり、畑周囲の排水に努めたりする。
- 高温期ほど発生が多いので、種まきや定植時期を遅らせる
- 畑を準備するタイミングで、薬剤を散布して発生を抑える
病害虫防除
- ベニアズマで定植後120日前後、金時で定植後130~140日前後が収穫目安。
- 収穫前にツルを地際から切り取り、マルチを除去する。
- なるべく土壌が乾燥しているときに、イモに傷つけないようていねいに堀取り収穫をする。
- 貯蔵の適正条件は、温度13℃・湿度約90%。