アスパラガス(ユリ科)
kitchen garden
品目特性
- 冷涼な気候を好むユリ科の多年生で、生育適温は15~20℃の範囲
- 冬に地上部は枯死するが、越冬して翌春に再び芽を出す。
- 肥沃で耕土が深く、かん水しやすい圃場を選ぶ。最適pHは6.0~6.5。
作型
※1年目は株養成がメインで、2年目から徐々に収穫が可能で、本格的な収穫は3年目以降
※最大収量は6~10年目
施肥(1aあたり)
1年目
肥料名 | 元肥 | 追肥 | 茎葉刈取後 12月 |
||
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5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||
完熟堆肥 | 1000 | 100 | |||
セルカ2号 | 20 | ||||
28苦土重焼燐 | 6 | ||||
いなば有機(8-8-8) | 6 | 4 | 4 | 4 |
2年目以降
肥料名 | 元肥 | 追肥 | 堆肥 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3月 | 4/上 | 5/上 | 5/中 | 6/上 | 6/中 | 7/上 | 9/上 | 1月 | |
完熟堆肥 | 400 | ||||||||
セルカ2号 | 10 | ||||||||
いなば有機 | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 | 3 | |||
ダブルクイックNN660 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
栽培管理
ほ場選び
- 排水がよく、排水良好で日当たりの良いところを選び、作付前に土壌改良をしておく。
- 畝幅は広いほど良いが収穫作業を考慮して100cm程度とする。
- 畝の中心に元肥施用して畝を立てる。乾燥防止と雑草防除のため黒マルチで被覆する。
定植
- 晩霜の心配がない5月中下旬から行う。
- 株間35~40cmとしてマルチに穴をあけ、1条植えとする。なるべく深く植えるようにする。1aあたり130株。
栽培管理(1年目)
立茎
- 生えてきた芽はすべて残し、株の養成をする。
- 支柱を3m間隔に立て、高さ40cm間隔に30cm×2目のフラワーネットを1~2段張り、最上段はバンドで茎が倒れないようにする。
- 立茎した茎はできるだけ維持するようにし、地上部から50cm程度は摘葉して株元の風通しをよくする。
茎葉刈取り
- 11~12月頃、茎葉が黄色くなったら刈取りを行い、圃場外に持ち出して焼却する。
栽培管理(2年目以降)
収穫
- 萌芽するものを、25~27cmの長さで収穫する。
- 生育の早い時期には1日に10㎝以上伸びるので、ピーク時は1日に2回収穫する。
- 出荷できない極端な曲がりや弱小茎は早めに取り除く。
- 9月末を終了の目安とする。
立茎
- 春どり収穫を行っていると、次第に収量が低下してくるので、その頃から1株あたり3本 (10~12本/㎡) 程度立茎を行いながら収穫を継続する。
- 立茎完了に概ね40日程度かかかる。病害発生を抑えるため、梅雨に入るまでには立茎を終えておきたいので、遅くとも5月10日頃には立茎を開始すること。
株養成
- 収穫終了後、立茎した茎をそのまま10~12本/㎡程度残して株を養成する。
- 気温が低下すると、徐々に茎が黄化してくるが、地下部に養分を転流している時期なので、完全に刈り上がるまでは茎葉を大切にする。
茎葉刈取り
- 11月末~12月上旬をメドに茎葉を刈取り、圃場外に持ち出して焼却し、株元をバーナーで焼却する。また、焼却後、畝上に堆肥マルチを行う。
病害虫防除
茎枯病
- アスパラガスにとって最大の敵といえる。
- 水浸状の斑点が出来て拡大し、周縁が明瞭な赤褐色の病斑となり、上部が枯れる。主に、雨滴の跳ね上がりにより、株元に感染し、罹病した茎葉は翌年の伝染源となる。
- 最も有効な対策は施設化だが、堆肥や稲ワラ等で土壌を覆うなどでも多少軽減できる。
- また、罹病株は必ず圃場外に持ち出して処分すると同時に、地表面に残った残茎も、バーナーによる焼却をする。