甘長とうがらし(なす科)
kitchen garden
品目特性
- 高温性のナス科の中でも一番高温性で生育適温は25~30℃。十分暖かくなってから栽培する。
- 交配適温は20~25℃が適温で、38℃以上の高温や10℃以下の低夜温では、受精しにくく、変形果や落花が多くなる。
- 根は浅く繊細で過湿に弱いので、排水の良い圃場を選ぶ。好適pH6.0~6.5。
作型
施肥(1aあたり)
肥料名 | 総量 | 元肥 | 追肥 | 備考 |
---|---|---|---|---|
完熟堆肥 | 100 | 100 | 追肥は1番果の収穫時期以降、樹勢を見ながら行う | |
セルカ2号 | 8 | 8 | ||
いなば有機 | 15 | 15 | ||
ダブルクイックNN660 | 5 | 5 |
栽培管理
ほ場選び
- なす科の連作を避け、排水のよい圃場を選定する。
- 定植10日前までに元肥を施用し、よく耕耘する。
- とうがらしは湿害に弱いので、排水溝を設けたり、高畝にして湿害を防ぐ。
- 事前に土が湿った状態でポリマルチを張り、地温を確保しておく。
定植
- 晩霜の恐れのない時期(最低気温10℃以上)に定植する。もし、早く定植したい場合は、トンネルなどを利用する。
- 苗は1番花が確認でき、もうすぐ開花する頃の状態が良い。
- 株間50~60cmとし、根鉢が見える程度の浅植えとする。
整枝
- 1番花までのわき芽はすべて取り除き、1番花・2番花の着果節でそれぞれ2又まに分枝するので、その4本を主枝として確保する。
- それ以上は、露地栽培では放任とするが、細めで着果しないふところの枝や徒長枝は、早めに主枝の根元で間引きをして、日当たりを良くしてやる。
かん水
- 定期的にかん水をする必要は無いが、特に夏の高温期に乾燥が続く場合は行う。土壌水分が少ないと、カルシウムの吸収が不十分となり、尻腐果が発生しやすくなるので、適時かん水とカルシウム剤(カルプラス)の定期的な予防散布を行う。
病害虫防除
アブラムシ類
- 成虫、幼虫が葉や茎や果実の汁を吸うので、株が弱る。
- モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなど、数種類が発生する。体色は種類によって、灰色・緑色・赤色などさまざまで体長0.5~3mm。
- 汁を吸って糖分を含む液体を排泄するため、多発すると排泄物の上に黒いカビ(すす病)が発生する。また、汁を吸うときにウイルス病を媒介する。
収穫
- 開花後、20~30日後、果実長10~15cmを目安とするが、品種が持つ形状・大きさで適期に収穫を行う。