なす(なす科)
kitchen garden
品目特性
- 生育適温は22~30℃で、17℃以下では生育がゆっくり進む。霜には非常に弱い。
- 日照不足は、花の発育が悪くなり、着果数が少なくなるとともに、果皮の着色が悪くなる。
- 生育期間が長く、吸肥力も強いので、他の野菜と比べても施肥量が多い。
作型
施肥(1aあたり)
肥料名 | 総量 | 元肥 | 追肥① | 追肥② | 追肥③ | 追肥④ | 追肥⑤ | 追肥⑥ |
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6/1 頃 |
6/25 頃 |
7/20 頃 |
8/10 頃 |
9/1 頃 |
9/20 頃 |
|||
完熟堆肥 | 200 | 200 | ||||||
セルカフレンド | 12 | 12 | ||||||
いなば有機 | 30 | 12 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
ロングNK180 | 15 | 15 | ||||||
ダブルクイックNN660 | 6 | 3 | 3 |
栽培管理
ほ場選び
- 耕土が深く、かん水・排水が容易な圃場を選び、予め堆肥を混和しておく。
- 定植10日前までに、元肥をよく混和し、ウネを立てる(ウネ幅220cm前後)。
- 地温確保と水分保持のために、マルチングを行う(定植1週間前までに)。
- 風上側を特に重点に防風ネットを張る(2m幅×4mm目)。
定植
- 株間60~80cmの1条植えとする。
- 定植適期は、第1花が開花前のものとし、接ぎ木苗の場合、接ぎ木部分を埋めないように注意する。
ホルモン処理・摘果
- 3日おきにトマトトーンを開花当日に単花処理する。(重複しない、生長点にかけない)
- [希釈倍率] 開花~5/15頃:50倍、5/15頃~6/10頃:100倍
- 結実後、花に残っている花びらを抜き取る(灰色かび病対策、着色防止)
整枝
- 梅雨入りまでに、マルチを株元に寄せ、敷きわらを敷いて地温上昇を防ぐ。
- 第1花、第2花それぞれの直下の側枝を分岐させた4本仕立てとする。
- 本支柱もしくは本支柱に引っ張ったヒモに主枝を誘引していく。このとき、無理に引っ張ると折れることがあるので、日数をかけて少しずつ誘引する。
- 主枝から伸びた側枝は、花の上の葉を1枚残して摘心する。摘心後、伸びてきたわき芽を1つだけ残し、他のわき芽は除去する。
- 第1果の収穫時に、次の収穫果をつけたわき芽のすぐ上から切り戻しを行う。
かん水
- 乾燥が続く時は、溝に灌水をする。長時間の湛水状態にならないように注意する。
病害虫防除
テントウムシダマシ類
- 成虫は体長7~8mm、地色が赤褐色で、丸く黒い模様がたくさんある。幼虫は体長2~6mm、白っぽいタワシ状の形をしている。
- 成虫、幼虫ともに葉を階段状になめるように食害し、その部分は白くなり、のちの褐色に枯れる。場合によっては、果実を食害することもあるが、同様の食害痕となる。
- トマトやジャガイモなど、同じナス科の野菜で発生するが、特にジャガイモ収穫後に害虫の飛来が増える傾向がある。
ハダニ類
- 野菜の中では、ハダニ類の被害が顕著な作物。薄緑色のナミハダニと赤色のカンザワハダニが発生する。体長は0.5~1mmで葉裏に成虫、幼虫が発生して汁を吸い、その部分が白色または黄色になり、多発すると葉全体に被害が広がる。
収穫
- 収穫は朝のうちに行う。1番果や秋以降は、樹勢が弱るのを防ぐため、やや小果で収穫する。変形や傷のある果実は樹勢を弱めるので早めに摘果する。